Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かっこんとう

橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇 (かっこんとう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.213 caratteri · 34 schermate

Aozora Bunko

「不届きな薬なんぞ消えっちまえ! それだから日本の薬は信用ができんと言うのだ!」

と呶鳴り出したが、今にも眩暈が始まってくるかと思えば心も心ならず、またぞろ頭を抱えた。

「俺はつくづく君が憎くなる! 人が厭だと言うものを無理に飲ませておいて、今更こういうことではもう我慢が、できん!」

と体温計を口の中へ突っ込みながら嘆き立てた。

「ではグスタフ、俺は忙しいからこれで失礼をする」

と私は立ち掛けた。途端に慌てて野郎がむんずと私の手を掴まえた。

「今帰っては困る! しばらくいてくれ! もう少しの間ここにいてくれ! 君にも責任がある。俺の眼が廻ってきたら誰が介抱してくれるだろう。心細いからしばらくいてくれ、訳のわからん東洋の薬なんぞ飲んで今に発熱したり眩暈がすると思うと、俺には堪えられん」

「俺が好意で君に薬を勧めているのに、君はそんなことを言って人を脅かす気か」

「脅かすんではない、心細くて堪らんから、君に頼んでいるのだ! 何でもいいから、しばらく一緒にいてくれ」

とグスはしまいには眼に哀願の色さえ泛べて、そのくせ恐ろしい腕力で私の手を鷲掴みにして放さなかった。