Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate
一二 交歓会
恭一あてのには、
「道江からこんな手紙が来たが、僕には返事のしようがない。すべては君の責任において解決してもらいたい。」
とだけ書いて、道江の手紙を同封した。道江あてのもきわめて簡単だった。
「お手紙拝見。ご胸中同情にたえません。返事が遅れてすまなかったが、おたずねの人物については、いろいろ考えてみました。しかし、結局僕には見当がつきません。で、思いきって、お手紙をそのまま兄におくり、その返事を求めることにしました。あるいは直接そちらに返事が行くかもしれません。とにかく、この事については、兄自身がすべての責任を負うのが当然だと思います。道江さんもそのつもりで勇敢に兄にぶっつかってみてください。切に前途の光明を祈ります。」
一二 交歓会
それからの一週間は、次郎にとって、変に矛盾にみちた明け暮れだった。
二通の手紙を出したあとのかれの胸には、大きな空洞があいており、その空洞の中を、悔恨と、嫉妬と、未練と、そしてかすかな誇りとが、代わる代わる風のように吹きぬけていた。しかも、一方では、興国塾との交歓会をひかえて、その同じ胸が、空洞どころか、重い鉛でもつめこんだように心配で一ぱいになっていた。