Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate
」
「実際だ。ああいう連中といっしょになってみると、それが実にはっきりわかるね。」
朝倉夫人は涙ぐんでおり、次郎は何かじっと考えこんでいた。すると朝倉先生が言った。
「そんなふうに自己陶酔に陥るようでは、今日は最悪の日だったね。アルコール漬になって生きている動物はないよ。はっはっはっはっ。」
それから急に立ちあがって、窓ぎわを行ったり来たりしながら、
「今日の収穫は、あるいはアルコール漬の標本を作っただけだったかもしれないね。そのうち、その標本が瓶ごと捨てられる時が来るだろう。それじゃ、あんまりみじめではないかね。……こういう時こそ、一人一人が、もっと厳粛に……もっと謙遜に、自分を反省してみなくちゃあ。……大事なのは、友愛塾が友愛塾という形で勝つか負けるかということじゃない。かりに友愛塾という容器がつぶされても、君らの一人一人が、まる裸でぴちぴち生きているような人間になることだよ。とにかく自己陶酔はいけない。勝ったつもりでいい気になってはおしまいだ。人間は、苦しい時よりも、かえって得意な時に堕落するものだからね。……平常心……そうだ、平常心のたいせつなのは、苦しい時よりも、むしろこうした場合なんだよ。