Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うたよみにあたうるしょ

歌よみに与ふる書

正岡 子規

Leggi 歌よみに与ふる書 (うたよみにあたうるしょ) di 正岡 子規 (まさおかしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.419 caratteri · 35 schermate

Aozora Bunko

なだらかなる調が和歌の長所ならば迫りたる調が俳句の長所なることは分り申さざるやらん。しかし迫りたる調強き調などいう調の味はいわゆる歌よみには到底分り申す間敷か。真淵は雄々しく強き歌を好み候えども、さてその歌を見ると存外に雄々しく強きものは少く、実朝の歌の雄々しく強きがごときは真淵には一首も見あたらず候。「飛ぶ鷲の翼もたわに」などいえるは真淵集中の佳什にて強き方の歌なれども意味ばかり強くて調子は弱く感ぜられ候。実朝をしてこの意匠を詠ましめばかような調子には詠むまじく候。「もののふの矢なみつくろふ」の歌のごとき鷲を吹き飛ばすほどの荒々しき趣向ならねど、調子の強きことは並ぶものなくこの歌を誦すれば霰の音を聞くがごとき心地致候。真淵すでにしかりとせば真淵以下の歌よみは申すまでもなく候。かかる歌よみに蕪村派の俳句集か盛唐の詩集か読ませたく存候えども、驕りきったる歌よみどもは宗旨以外の書を読むことは承知致すまじく勧めるだけが野暮にや候べき。

御承知のごとく生は歌よみよりは局外者とか素人とかいわるる身に有之、従って詳しき歌の学問は致さず格が何だか文法が何だか少しも承知致さず候えども、大体の趣味いかんにおいては自ら信ずるところあり、この点につきてかえって専門の歌よみが不注意を責むるものに御座候。