Classici giapponesi con furigana
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えいじつしょうひん
永日小品
Leggi 永日小品 (えいじつしょうひん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.000 caratteri · 100 schermate
だから仕方なしにじっとしていた。少しでも手を動かすと、手がどこか冷たい所に触れる。それが刺にでも触ったほど神経に応える。首をぐるりと回してさえ、頸の付根が着物の襟にひやりと滑るのが堪えがたい感じである。自分は寒さの圧迫を四方から受けて、十畳の書斎の真中に竦んでいた。この書斎は板の間である。椅子を用いべきところを、絨を敷いて、普通の畳のごとくに想像して坐っている。ところが敷物が狭いので、四方とも二尺がたは、つるつるした板の間が剥き出しに光っている。じっとしてこの板の間を眺めて、竦んでいると、男の子がまだ泣いている。とても仕事をする勇気が出ない。
ところへ妻がちょっと時計を拝借と這入って来て、また雪になりましたと云う。見ると、細かいのがいつの間にか、降り出した。風もない濁った空の途中から、静かに、急がずに、冷刻に、落ちて来る。
「おい、去年、子供の病気で、煖炉を焚いた時には炭代がいくら要ったかな」
「あの時は月末に廿八円払いました」
自分は妻の答を聞いて、座敷煖炉を断念した。座敷煖炉は裏の物置に転がっているのである。
「おい、もう少し子供を静かにできないかな」