Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
えいじつしょうひん
永日小品
Leggi 永日小品 (えいじつしょうひん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.000 caratteri · 100 schermate
その時窓の真下の家の、竹格子の奥に若い娘がぼんやり立っている事があった。静かな夕暮などはその娘の顔も姿も際立って美しく見えた。折々はああ美しいなと思って、しばらく見下していた事もあった。けれども中村には何にも言わなかった。中村も何にも言わなかった。
女の顔は今は全く忘れてしまった。ただ大工か何かの娘らしかったという感じだけが残っている。無論長屋住居の貧しい暮しをしていたものの子である。我ら二人の寝起する所も、屋根に一枚の瓦さえ見る事のできない古長屋の一部であった。下には学僕と幹事を混ぜて十人ばかり寄宿していた。そうして吹き曝しの食堂で、下駄を穿いたまま、飯を食った。食料は一箇月に二円であったが、その代りはなはだ不味いものであった。それでも、隔日に牛肉の汁を一度ずつ食わした。もちろん肉の膏が少し浮いて、肉の香が箸に絡まって来るくらいなところであった。それで塾生は幹事が狡猾で、旨いものを食わせなくっていかんとしきりに不平をこぼしていた。
中村と自分はこの私塾の教師であった。二人とも月給を五円ずつ貰って、日に二時間ほど教えていた。自分は英語で地理書や幾何学を教えた。