Classici giapponesi con furigana
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えいじつしょうひん
永日小品
Leggi 永日小品 (えいじつしょうひん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.000 caratteri · 100 schermate
クレイグ先生
妻に電話を懸けさせて、明日じゃ都合が悪いかと聞かせると、明日になると出立の準備や何かで、こっちも忙しいから……と云うところで、電話が切れてしまった。いくら、どうしても懸らない。おおかた風のせいでしょうと、妻が寒い顔をして帰って来た。それでとうとう逢わずにしまった。
昔の中村は満鉄の総裁になった。昔の自分は小説家になった。満鉄の総裁とはどんな事をするものかまるで知らない。中村も自分の小説をいまだかつて一頁も読んだ事はなかろう。
クレイグ先生
クレイグ先生は燕のように四階の上に巣をくっている。舗石の端に立って見上げたって、窓さえ見えない。下からだんだんと昇って行くと、股の所が少し痛くなる時分に、ようやく先生の門前に出る。門と申しても、扉や屋根のある次第ではない。幅三尺足らずの黒い戸に真鍮の敲子がぶら下がっているだけである。しばらく門前で休息して、この敲子の下端をこつこつと戸板へぶつけると、内から開けてくれる。
開けてくれるものは、いつでも女である。近眼のせいか眼鏡をかけて、絶えず驚いている。年は五十くらいだから、ずいぶん久しい間世の中を見て暮したはずだが、やっぱりまだ驚いている。