Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Leggi 沼夫人 (ぬまふじん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.541 caratteri · 78 schermate

Aozora Bunko

夫でもついこの間、窓を開けて寝られるから涼しくって可いてって、此室へ臥りましてね、夜中に戸迷いをして、それは貴下、方々へ打附りなんかして、飛んだ可笑しかったことがござんすの。

可笑いより、貴下、ひょんな処へ顔を入れて、でもまあ、男でしたから宜しかったようなものの、私どもだったらどうしましょう。そこにございます、それですわ。同じような切を掛けて蔽にしておくもんですから、暗さは暗し、扉の処が分りませんので、何しろ、どこか一つ窓へ顔を出して方角を極めようとしましてね、窓掛だ、と思って引揚げましたのが、その蔽だったんでしょう。箱の中に飾っておきます骸骨に、ぴったり打撞ったんでございますとさ、厭ではござんせんかねえ。」

……と寝台の横手、窓際に卓子があるのに、その洋燈を載せながら話したが、中頃に腰を掛けた、その椅子は、患者が医師と対向いになる一脚で、

「何ぼ、男でもヒヤリとしましたそうですよ。」

と愛嬌よく莞爾した。

「や、そりゃ、酒田さん驚いたでしょう。幾ら商売道具でも暗やみで打撞っちゃ大変だ。」

「ですから、お気を注けなさいまし。夫とは違って、貴下はお人柄でいらっしゃるから、またそうでもない、骸骨さんの方から夜中に出掛けますとなりません。