Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Leggi 沼夫人 (ぬまふじん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.541 caratteri · 78 schermate

Aozora Bunko

十二

を奥座敷へ上った姿は……

帯なし、掻取り気味に褄を合せて、胸で引抱えた手に、濡手拭を提げていた。二間を仕切った敷居際に来て、また莞爾すると、……」

「謹聴、」

と医学士が唐突に云った。

「真面目だよ、真面目だよ。」

十二

「湯上りの、ぱっと白い、派手な、品の可い顔を、ほんのり薄紅の注した美しい耳許の見えるまで、人可懐く斜めにして、

(失礼、今ね、お返事の出来ない処だったの……裸体美人、)

と云って花やかな笑顔になる。いかにも伸々と寛容して、串戯の一つも言えそうな、何の隔てもない様子だったが、私は何だか、悪い処へ来合せでもしたように、急込んで、

(田圃へ行って見ませんか、)

と何のあしらいもなく装附けた。

(は、参りましょう、)

と頷いて、台所の方を振返りながら、

(ちょいと、御免なさいよ。)

支度を、と断るまでもなく、平常着のままで出は出たが、――その時、横向きになって、壁に向うと、手を離した。裙が落ちて、畳に颯と捌けると、薄色の壁に美しく濡蔦が搦んで絵模様、水の垂りそうな濡毛を、くっきりと肱で劃って、透通るように櫛を入れる。ちょうどそこの柱に懸けて、いかがな姿見が一面あった――勿論、東京から御持参の品じゃない。