Classici giapponesi con furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Leggi 沼夫人 (ぬまふじん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.541 caratteri · 78 schermate
二十
まだ口も利けない処を、別々に運ばれた、それが見納め。
君も知ってる、生命は、あの人も助かったんだが、その後影を隠してしまって、いまだに杳として消息がない。
これが風説の心中仕損。言訳をして、世間が信ずるくらいなら、黙っていても自然から明りは立つ。面と向って汝が、と云うものがないのは、君が何にも言わないと同一なんだ。
お房さんも、大方同じ考えだったものだろう。が、これは夫に顔の合わされないのは、道理です。……何も私ばかりが澄まして活きているのじゃない、今ここに、君とこうやっている時を、行方知れず、と思っているものもあろう。あの人もまた、同じように、どこかで心合いの友に、述懐をしていようも知れない。――ただもう一度逢いたいよ。」
と団扇を膝につくと、額を暗うした。
医師は黙っている。
「しかし、」
と、小松原が額を上げた。
二十
「未練だね。世間じゃ、誰もあの人が活きているとは思わない。私だって、実際生存えていようとは考えないが、随分その当時、表向きに騒いで、捜索もしたもんだけれども、それらしい死骸も見附からないで、今まで過去ったんだ。だから、もしやが頼まれる……