Classici giapponesi con furigana
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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
Leggi 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.110 caratteri · 131 schermate
「ただ念仏さえ申せば往生する。別の様はない」
といわれたので、そこでさめざめと泣き出して了った。法然もあきれて、暫くは言葉も出なかったが、やがて、
「何事に泣きなさるのだ」
と尋ねられたので、
熊谷「貴様のような罪深い奴は手足をも切り、命をも捨ててこそ、後生は助かるのだ、とでも仰せられるのかと思って居りました処が、ただ念仏さえすれば救われると、易々と仰せられたので、あんまり嬉しくて泣いてしまいました」
という言葉が如何にも真実に後生を恐れる殊勝者と見えたので、法然は懇ろに念仏往生、本願正意の安心を授けた処二つなき専修の行者になってしまった。
或時法然が月輪殿へまいった処、熊谷入道がお伴をして行った。法然はこの荒っぽい坂東武者を連れて行き度くはなかったのだけれども、連れて行かなければまた文句が煩さいと思って、何とも云わないで行くと、のさのさ後をついて月輪殿迄やって来て、沓ぬぎへ出て、縁に手をかけて寄りかかって待っていた。程なく奥の方で法然の談義の声が、かすかに聞えたから、熊谷入道が大きな声で、
「ああ、ああ、穢土という処ほどくやしい処はないワイ。関白殿の御殿だとやらで、おれ達はお談義が聞かれないのだ。