Classici giapponesi con furigana
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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
Leggi 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.110 caratteri · 131 schermate
二十九
「これはうがいの水が通うからだろう」といってうがいを止めて塗香を使ったが気力が更に衰えない。やがて傷も治ってしまった。その後は時々行水をしたそうである。かくて正月一日になっても死なないから法然の手紙を取り出して読み続けていた。正月十三日の夢に、来る十五日午の刻には迎えに行くといって法然が告げる夢を見て、こんどこそはといって喜びの涙を流した。その時に上人から貰った袈裟をかけ、念珠を持ちて、西に向って端座合掌、高声念仏午の正中に安々と息が絶えた。腹を切ってから水漿を断って五十七日の間気力が常の如くして痛むところなく、ついで往生をとげたということは信じ難い程不思議のことであった。自害往生、焼身往生、入水往生、断食往生等はその門徒に於ても誡め置かれたことであり、余人の行うべき行ではないが、信心の力の奇特は思い見るべきである。
二十九
比叡山西塔の南谷に鐘下房少輔という頭脳のよい僧侶があったが、弟子の稚子に死なれて眼前の無常に驚き、三十六の年遁世して法然の弟子となり、成覚房幸西といったが、浄土の法門をもと習った天台宗に引き入れて、迹門の弥陀、本門の弥陀ということを立てて、十劫正覚というのは迹門の弥陀のこと、本門の弥陀は無始本覚の如来であるが故に、われ等が備うるところの仏性と全く違ったところはない。