Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なきむしこぞう

泣虫小僧

林 芙美子

Leggi 泣虫小僧 (なきむしこぞう) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.906 caratteri · 70 schermate

Aozora Bunko

そんなに待ったらミイラにならア……」

勘三は煙草をうまそうにふうと吐くと、啓吉の大きな顔をおさえて、

「叔父さんが金でもはいったら、一つ何を啓坊に買ってやろうか?」

と言った。

「本当に、お金がはいったら買ってくれる?」

「ああ買ってやるとも、きんつばでも大福でもさ」

「そんな、女の子の好くようなもン厭だ」

「おンやこの野郎生意気だぞ! そいじゃ何がいいンだ?」

「あのね、あの硝子の平ぺったい壺が要るンだけど……」

「硝子の壺? 金魚でも飼うのかい?」

「…………」

「ま、いい、そんなもンなら安い御用だ。叔父さんが立派な奴を買ってやるよ」

コロッケ屋では、馬臭い油の匂いがしている。勘三が三尺帯をぐっとさげると腹がぐりぐり鳴った。啓吉はあおむいて、

「叔父さんのお腹よく泣くんだねえ」

と笑った。

「ふん、誰かみたいだね。叔母さん何か御馳走してなかったかい?」

「知らないよ」

「そうか、ま、兎に角七八里歩いたンだから腹も泣くさ……」

チンドン屋が、啓吉達の横をくぐって、抜け道のお稲荷さんの宮の中へ這入って行った。

五

「やア、お帰りッ……どんなだった?」

「駄目だよ……」