Classici giapponesi con furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Leggi 泣虫小僧 (なきむしこぞう) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.906 caratteri · 70 schermate
「おやおや一人者の癖して、よく三十女の気持ちがお判りになりますねえ?」
「判るも判らないも、本当の事よ。蓮ちゃんだって、そうだわ。たった十七だけど、あんなになって、子供の癖にいっぱしの女房気取りで、……一番、あンたを莫迦にしている位よ」
「へえ、私を莫迦に? 何時逢ったの?」
「ううん、一寸尋ねて来たンだけど……まるきり変ってしまってねえ、苦労はしてるらしいけど、一人者のあたしの方が、よっぽど羨ましかったわよ」
十四
九時が打った。
勘三はまだ帰らなかった。誂らえた支那蕎麦が本当に十杯ばかりも並んだ。
「こんなに御馳走になって済まないわ」
「何いってンのよ、さア、伸公も啓ちゃんもたンとお上りよ」
啓吉は茶碗をかかえ上げて、湯気で頬を濡らしながら、青いハンドバッグの事を知らないで押し通した事に気がひけながら、蕎麦を食べた。小さい電気の下に、四ツの大きな影が部屋いっぱいに重なりあって、いっとき静かに蕎麦の音をさせていたが、寛子が思い出したように、
「あンたも、蓮ちゃんを羨ましがらないで、早く結婚したらいいじゃないの?」
「うふッ……何を思い出してンの、さ、私は私よ。