Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

Leggi 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 156.085 caratteri · 312 schermate

Aozora Bunko

そして、海面にむかって、ぐんぐんと落ちていくのです。

「しめたっ。もうだいじょうぶだ。」

ヘリコプターも、下降をはじめました。水上署のランチは、海面すれすれにただよっている風船ゾウに近づいていきました。

そして、風船が水面についたときには、ランチはそのすぐそばまで近づいていたので、賊をすくいあげるのは、わけのないことでした。

ランチが、風船とすれすれにとまると、乗りくみの水上署員が、とび口を、しぼんだゾウの足にひっかけ、ぐっと引きよせました。

ゾウのしぼんだ腹が、こちらをむくと、そこのハンモックの中に賊のすがたが見えました。とび口がハンモックにかかりました。そのまま、引きよせて、数人の乗りくみ員の手が、賊をランチの上にだきあげたのですが、そのとき、人びとの口から、「あっ。」という、おどろきのさけび声がもれました。

「なあんだ。これはゴム人形じゃないか。」

賊とばかり思っていたのが、人形だったのです。浮きぶくろのように、いきをふきこむと、ふくれて人間の形になるゴム人形だったのです。それに、松村の黒い背広がきせてあったのです。

しかし、デパートの屋上から、風船の綱にのぼっていったのは、たしかに松村でした。