Classici giapponesi con furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Leggi 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) di 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 100.616 caratteri · 201 schermate
夜の見はりは、よほど考えなければならない。たった一人で、あてもない暗い夜の海を見はっているのだ。つい、いろいろのことを考えだして、気がよわくなってしまう心配がある。とうぶんのあいだは、老巧な小笠原と、水夫長と、たびたび難船している、漁夫の小川と杉田がいい。この四人を、夜の当番にきめよう。私は、腹をきめた。
「夜の見はり番は、年のじゅんにきめる。今夜は、小笠原と水夫長に、交代で立ってもらうことにする。それでは小笠原、このめがねを」
と、私は、天幕の柱にかけてあった、双眼鏡を取って手わたした。双眼鏡を受け取って、首にかけた小笠原は、大まんぞくのように、にこにこして、天幕を出かけたが、みんなの方をふり向いて、
「みんな、安心しておやすみ」
といって、右手をあげてあいさつして、砂山の方へ、出かけていった。そのすがたは、まるで、昔のギリシャの彫刻の、海の神の像のように、どうどうと、たくましいものであった。
「今夜は、つかれているから、みんなもう、おやすみ」
私の一言に、全員は立ちあがった。
炊事のあとしまつも、天幕のせいとんもすんで、一同は横になると、一日の労働のつかれで、なにを考えるまもなく、すぐ、ぐっすり眠ってしまうのであった。