Classici giapponesi con furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Leggi 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.653 caratteri · 98 schermate
てしまった。その上からモウ二枚帆布を当てがって、周囲をピッシリ釘付けにして、その上からモウ一つ、流れていた櫂を三本並べながら、鎹釘で頑丈にタタキ付けてしまった。どこで研究したものか知らないが、百人ばかりの生命の親様だ。思わず頭が下がったよ。
その吾々が仕事をしている二三間向うには、端舟の釣綱が二本、中途から引っ切れたままブラ下がっていた。切れ落ちたボートは人間を満載したまま一度デングリ返しを打った奴が、十間ばかり離れた処に漂流していたが、その周囲には人間の手が、干大根を並べたようにビッシリと取付いている。……にも拘わらず、その尻の切れた二本の綱には、上から上から取付いてブラ下がって来る人間が、重なり重なり繋がり合っているのだ。芸者、紳士、警官、お酌、判事、検事、等々々といった順序に重なり合った珍妙極まる人間の数珠玉なんだ。しかもその一つ一つが「助けてくれ助けてくれ」と五色の悲鳴をあげているのだから、平生なら抱腹絶倒の奇観なんだが、この時はドウシテ……その一人一人が絶体絶命の真剣なんだから遣り切れない。巡査の握り拳の上に芸者のお尻がノシかかって来る。