Classici giapponesi con furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Leggi 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.908 caratteri · 204 schermate
こんなときに帆村がいれば、どんなに助かるかもしれないのだけれどと、くやしくなった。
けっきょく、仲間の人たちの証言も、係官を納得させるほど十分ではなかったが、船員の中に、房枝が乗船当時調べたことをおぼえている者があって、その証言で、やっと上陸を許可された。ただし条件つきであった。
「常に、居所を明らかにしておくこと。毎月一回、警察へ出頭すること。よろしいか」
房枝は、今日ほど自分が捨子であることを、もの悲しく思ったことはない。原籍がわからないために、こんな疑いをうけるのである。
(ああ、お母さま、お父さま。房枝は、今、こんなに悲しんでいます。ああ)
彼女は、胸に手をおいて、心の中ではげしく、まだ見ぬ父母に訴えた。
この房枝のかなしみを、いつの日、誰が解いてくれることやら。
やっと解放された房枝たちミマツ曲馬団員は、一まず横浜のきたない旅館に落ちついた。これから、一同の身のふり方を、いかにつけるのかの、相談が始まった。けっきょく、他に食べる目当もない一同だったから、人数は半分以下にへったが、ともかくも、空地にむしろを吊ってでも、興行をつづけることにきめた。