Classici giapponesi con furigana
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Leggi 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.045 caratteri · 185 schermate
これは著者がよほど器用な生まれの人でない限りそれは出来ない相談だ。自慢するようで可笑しいけれど、この『植物志』と同様な仕事を仕遂げる人はまず今日では、率直にいえば私自身より外にはないと断言してよいのであろう。これは狂人の言かも知れないがもしあればやって見るがよい、果して匹敵が出来るかどうか、何時でも御手際を拝見しよう。私の残念でたまらない事はこの仕事が続かなかった事だ。この私の深い信条の仕事が頓挫した事だ。これは日本の文化のためにこの上もない惜しい事だが、しかしとにかく四冊だけ出来た。嘘と思えばどなたでも右の四冊を御覧になって下さい。そうすれば私が虚言を吐いているか妄言を弄しているかがよく分るであろう。
私のやりたいと思ったこの大きな信条のその実行が、右の様に挫折した事は、日本のためにもまた私のためにも甚だ惜しい。これを思うと涙がにじんで来る。私が今もっと若ければふたたび万難を排して仕事にかかるけれど、何をいえ少し年を取り過ぎた。イヤ八十九歳でも強いてやれば出来ん事はない自信はあれど、他に研究せねばならぬ事項が沢山あるから、この一事に安んじてそれを遂行する時間を持たない。