Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

まきのとみたろうじじょでん

牧野富太郎自叙伝

牧野 富太郎

Leggi 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.045 caratteri · 185 schermate

Aozora Bunko

それは訳のない事で、もともと富士の側面の石礫岩塊が爆発のために下の方に噴かれ飛んでそれが積って宝永山のコブと成り、これと反対にその爆発口は窪んで大穴となっているからその宝永山を成している石礫岩塊をもと通りにその窪みの穴に掻き入れたらそれで宜しいのだ。そうすると跡方もなくコブも無くなり、同時にその窪みも無くなって、富士の姿が端然と佳くなるのである。姿の佳いのは姿の悪いのよりはよい位の事は誰れでも知っているでしょう。そうなりゃどんな人でも私のこの企てに異議はなく皆々原案賛成と来るでしょう。

近頃は美容術が盛んで方々に美容院が出来、女ばかりでなく随分男の人までもそこへ出入する時世だから、富士の山へも流行の美容術を施してやる思い遣りがあってもしかるべきだ。そして世人をアットいわせるのも面白いじゃないかね。やるならこの位の事をやって見せぬと大向こうがヤンヤと囃してハシャガナイ。右はとてもイイ案でしょう。

ところが、いよいよそれをやるとなると○がいる。もしも私が三井、岩崎の富を持っていたらそれを実現させてみせるけれど、悲しい哉、命なる哉、私はルンペン同様な素寒貧であれば、どうも幾らとつおいつ考えて見ても、とても一生のうちにそれを実行する事は思いも寄らない。