Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
」
「ありがとうございます。」
「おいくつになられる。」
「二十三にございます。」
「御婚儀は?」
「はい。」
筒井はうつむいてそれには明らさまな返事ができず、黙ったままでいるより外はなかった。
「いや、これは失礼なおたずねを致した。気にかけられるな。」
「いいえ、ただ悲しいことを避けながらいつもそれに趁われている女にございます。」
「いや、かならずお身のような方には、いまに倖せが、おとずれるでござろう。」
衣を縫うていれば傍えに来て、姉弟が坐り、立って庭に行けば弟は庭の木々の名をもの語り、秋に実るものがあればその美しい果実の色までを話した。そしてそういう秋までには梅、一位、杏、桃が間もない春には、いかに美しく暖かに咲き出るかということを少年は解いた。彼自身も好きらしい木々へのこまかい観察がふくまれていて、こういう少年こそ和歌のみちをとけば、和歌をものするようになるであろうと筒井は姉弟にひまあれば和歌のみちをといて聞かせた。果して少年は和歌をつくることを覚え、才もおのずから豊かな冴えを見せていた。物の見方のこまかいことが筒井にはたのもしい将来を見せていた。
間もなくめぐり来た春は宮腹の家や庭をあかるくし、花は一どきに勢いを得て開いたが、筒井にあるはずの便りは依然なかった。