Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
「蘆商いてから久しくなりますか、蘆はたつきの代になりますか。」
生絹は右馬の頭がむかしの容貌を持っていないことを知った。
「蘆は秋ぐちに売り申すが冬は冬でべつの物を売りまする。」
右馬の頭はまだ何も知らぬふうであった。生絹は多額の金をあたえたが、右馬の頭はそれは多すぎるといった。
「いつまでも商いする心でいられるのかや。」
男は簾の中の声に不思議そうに小耳かたむけながら、低い声でいった。
「何もすることがない仕儀でこのような商いいたしおります。充分にお笑いくだされ。」
「いえ、笑うことなぞよういたしませぬ。かように美事な蘆はみやこには一本も見られません。」
「みやこから参られた?」
「みやこから人を尋ねてまいりましたが、その人のお姿はなくかように日ぐれに及んだのでございます。」
「人を尋ねてと仰せられるか。……」
右馬の頭は再び簾の中の女の顔を見ようとしたが、綾のようにすかすと見紛う簾ではよくは見えないもどかしさがあった。
「何処の何という人か、あるいは存じているかも分りませぬ。」
「もと右馬の頭をしていた方でございます。」
その男の顔がさっと変ったとき、前簾のすき間から月のように匂う生絹の顔をちらと見入った。