Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おぎふくうた

犀星王朝小品集

室生 犀星

Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate

Aozora Bunko

それと刻を同じゅうして二羽の春の鶫が、津は津の矢に、和泉は和泉の矢がしらによって、射落されたのであった。橘の顔色は二人を褒めるために同じくらいに見える左右の頬に、柔しくほほ笑みをたたえて見せた。

「お見事にぞんじます。」

それはようこそお射ちくださいました。いずれが負けをおとりになってもわたくしは父の手前悲しゅうございますのに、お二人ともに劣らぬおてなみを示してくださいましたのは、何にたとえてこの嬉しさを申上げたらいいかと、優しい橘は父に向って快いほほ笑みをうかべて見せ、あまりの嬉しさに父の方にすり寄って行った。

「早業でござった。なかなかこうは参らぬものだがよう仕遂げられた。」

基経の驚きは一層深いものがあった。鶫を射止めるということはたとえ油囀りの最中の動かぬ姿勢であったにせよ、細かく顫えるはしばみの枝の中では、枝をくぐってひとなみの技では容易に射止められるものではなかった。右左に別れた二人を見たときにも、基経はいずれも鶫を逸するであろうと、鶫の囀りのはたと歇んだときにそう思った。だが、その瞬間には鶫はもう射止められたのだ。基経は声を呑んで同じ二人の若者を眺めた。