Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
筒井は寝所にはいるとおのずから自分の呼吸づかいの若さを知り、そしてこがねのみ仏の像を抱いた。寸にも足らぬものであったが、男もこの中にいると思わずにいられなかった。おん肌をまもらせたまえ。
「おん肌をまもらせたまえ、あわれなるものの肌をまもらせたまえ、わがあやまちなきようめぐみあらせたまえ。」
筒井はこういう祷に似た声もひくくささやいて見ると、晴れがましく明るい気持になりからだが真白にかがやくようで、勿体ないみ仏の光をうけるような世界のあたらしさを感じた。そしてそれは無名の青年があらわれたことによって、この世界のひらきかけたことも知らなければならなかった。
秋はふたたびめぐって二年目の正月になっても、都から男の便りがなかった。筒井は津の川べりの渡舟を待つあいだにちらりと偸み見た男の顔の、あまりに空しい生気のないのを思い出すと、もう生涯会えない人のような気がした。たとえ、どんなに忙しい生活をしていても一片の便りを書くくらいの暇があろうはずなのに、もうまる一年も何もいって寄越さないのには、深い原因があるに違いない、その原因とは一体何であろう、筒井はその一つは死というものに捉えられた彼ではなかろうかと思い、も一つ外の原因にはなんとなく別の女気を感じた。