Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
ますか、生きていられるなればなぜにお文おつかわしくださらないのでございますか、わたくしのこの思い、この声、この嘆き悲しみがとどいてゆかないのでしょうか、声よ、いのちよ、嘆きよ、早くあの方のもとに飛び立って行きわたくしの悲しみを知らせてたまれ、あせりにあせってどうにもならない焦燥のすべてを知らせてたまれ、人の一心のとどかずば止まざるものを今こそ知らせてたまれ。」
筒井はひとり激しく胸のなかでくり返し、くり返し呼びつづけるような思いであったが、そういう思いの後は酷い疲れがして、めまいのようなものが感じられてならなかった。その時、貞時は庭のなかの姿を見出すとふしぎそうに筒井の顔色を見直した。かつてない深い物思いが皮膚を澄ませ、物悲しい青みをふくませているからであった。貞時は手をあげてやや遠くにいる筒井を招き、筒井はうなずいて近よって行った。
「遠くからでもそう見えたが、どうも考えごとをしていられるな、考えても詮ないことは考えなさらぬ方がいい。」
「はい。」
「過去のことならなおのことでござる。」
「では貞時さま、おたずね申し上げますが、人は生きているあいだはゆめに死を感じるようなことがございますものでしょうか。