Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
「誰だ、笑う奴は……?」
と、入道はカンカンになって、
「――海野、お主か」
「いんや」
「穴山、お主か」
「いんや」
「筧、お主だろう」
「知らぬ」
「さては、望月だな」
「違う。大方貴様の弟だろう」
「おい。伊三、お前も。現在の兄貴を嘲笑するとは、太い奴だ」
「莫迦をいえ。わしが昨日から歯痛で、笑い声一つ立てられないのは、先刻承知じゃないか」
「ふーむ」
その時、また笑い声がした。
「おや、また笑ったぞ。畜生!」
と、思わずむいた入道の眼の前に、忽然として現われたのは、六尺三寸の大男だ。
「や、や、天から降ったか、地から湧いたか」
と、入道が叫ぶと、その男は、揚幕を引いて花道へ出た役者のような、気取った口調で、
「流れ星のように、天から降ったといおうか。蕈のように、地から湧いたといおうか。流れ星なら、尻尾も見えよう、蕈の類なら、匂いもしようが、尻尾も見えず、匂いもなしに、火遁、水遁、木遁、金遁さては土遁の合図もなしに、ふわりと現われ、ふわりと消える、白い雲よりなお身も軽い、白雲師匠の秘伝を受けて、受けて返すはへぼ弓、へぼ矢、返らぬとかねて思えばあずさ弓、なき面に蜂のおかしさに、つい笑ってしまったが、笑えば笑窪がアバタにかくれる、信州にかくれもなきアバタ男、鷲塚の佐助とは、俺のことだ」