Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate

Aozora Bunko

まだ寒いうちから、こういう変人のような枝や幹に対して、何の打合せもなさそうに、あどけない禿のような花の蕾があちらこちらと意外な枝の位置に飛び付いて、それがどこから来たのか、また、いつ来たのか、花それ自身、考え及ぶ能力もないほどの痴呆性の美しさで、ぱらり/\と咲き出します。何だかほゝ笑みかけた口がやゝゆるんで、唇にうすく唾液が潤い照っているような小娘の気がする花の美しさに開きかけます。

その花が育って来ますと、あの長くてもじょ/\した蕋が位を張ってまいります。若い官女がお局さま附の権威を主張するような、狂言師が世間の辞儀を述べるような、あでやかでつんとして、呆けた上品さで――この蕋は伸び上ってまいります。この蕋に位を張られてべに色の花弁はたゞ華やいだ小褥になります。一つ一つが八重くれないに華やいだ小褥に。

だが、もう一とき時が経ちますと、蕋も花弁も分ちなく月日に老い痴れ、照る陽に耄け爛れて、桃の盛りも知らぬげに、弥生の空に点じ乱れて、濛々の夢に耽っております。

この紅梅に次いで咲くのは茶室の南の端の手洗石の傍に在る豊後梅です。幹は鱗の皮だけになって、危く水分を枝へ通わし、そこに重弁で白にごく淡く紅紫色が臨んでいる花をつけます。