Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
お秀はその菰の上に横坐りに坐って眩しそうに川上の河面を見渡しました。満潮で大洲は隠れてみえません。展びて石油色をしている水はやゝ下げ加減で大きな面積のまゝ静かに川下の方へ移っています。その洋々としたさまはどんな大河かのようにも見えます。これでいてこの先、川上へ十町も行けば石河原の多い瀬川になってどんな山国へでも行ったかのような感じになるのがわたくしにはおかしく思えて、お秀とは別に、サブリ小屋の中で眺めています。対岸は、葭の上に横たえられた青い土手が見え、橋詰にごちゃ/\している予田町の人家の裏が土手の上に塊まって覗いています。それから上手へ人家はまばらになって、突然、煉瓦焼きの竃が高い煙突を持って斜めに見えます。その土手の附近は煉瓦やら瓦やら一ぱい積まれていまして、その渚からキリップが河中へ伸びて白く光っています。鯉釣りが太い竿を下ろしています。何という平凡で長閑な景色でしょう。でもその平凡がまた何という身に染みてしまって今は逃れられない景色でしょう。
わたくしは人々から聞き集めてこの平凡な景色を控えているこの鷺町にも由緒めいたものやロマンスが伝えられているのを思い出しました。