Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きけいのてんにょ

畸形の天女

江戸川 乱歩

Leggi 畸形の天女 (きけいのてんにょ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.893 caratteri · 35 schermate

Aozora Bunko

一分もつづかなかった。そして、ニヤッと顔一ぱいに笑うと、大いそぎで、松永にピッタリからだをくっつけて、電柱に腰かけた。松永のからだに、柔かい圧力と温かみが伝わってきた。少女は乾草の匂いがした。

少女の踊りは、アッというまの一と踊りだったが、そこには一生忘れられないようなものがあった。日はもうほとんど暮れきっていた。夕焼けもうすれて、人顔もさだかに見分けられぬ時刻だった。その夕もやの中で、少女はまるで、よごれた天女のように、微妙に猥褻に踊った。そのあるポーズが、松永の眼底に焼きついて離れなかった。むろん作法にかなわぬ自己流の踊りだったが、そこにも畸形なものが、つきまとっていた。畸形ゆえの言いがたき美があった。彼はこんな異様な美しさを、生れてはじめて経験した。恍惚となって、からだじゅうがしびれるような気がした。

彼はしばらくのあいだ、じっと少女のからだの感触を味わっていたが、ふとわれに返ってつぶやいた。

「すっかり暗くなったね」

「ウン……おじさん、あたいの秘密のうちを、見せたげようか」

「ひみつのうちだって?」

「ウン、あたいだけの、ひみつのかくれ場所よ。