Classici giapponesi con furigana
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らい
癩
島木 健作
Leggi 癩 (らい) di 島木 健作 (しまきけんさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.753 caratteri · 74 schermate
夏中は窓を開け放していても、この病気特有の一種の動物的悪臭が房内にこもり、それは外から来るものには堪えがたく思われるほどのもので、担当の老看守すら扉をあけることを嫌って運動にも出さずに放っておくことが多かった。そうすると彼らは不平のあまり足を踏みならし、一種の奇声を発してわめき立てるのであった。
5
夜なかに太田は眼をさました。
もう何時だろう、少しは眠ったようだが、と思いながら頭の上に垂れている電燈を見ると、この物静かな夜の監房の中にあって、ほんの心持だけではあるがそれが揺れているようにおもわれる。じっと見ると、夏の夜の驚くほどに大きな白い蛾が電燈の紐にへばりついているのだ。何とはなしに無気味さを覚えて寝返りを打つとたんに、ああ、またあれが来る、という予感に襲われて太田はすっかり青ざめ、恐怖のために四肢がわなわなとふるえてくるのであった。彼は半身を起してじっとうずくまったまま心を鎮めて動かずにいた。するとはたしてあれが来た。どっどっどっと遠いところからつなみでも押しよせて来るような音が身体の奥にきこえ、それがだんだん近く大きくなり、やがて心臓が破れんばかりの乱調子で狂いはじめるのだ。