Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しろあり
白蟻
小栗 虫太郎
Leggi 白蟻 (しろあり) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.099 caratteri · 106 schermate
それは、ちょっと臭素に似た匂いであって、それには人間でさえも、咽喉を害し睡眠を妨げられるばかりでなく、しだいに視力さえも薄れてくるのだから、自然そうした瘴気に抵抗力の強い大型な黄金虫ややすでやむかで、あるいは、好んで不健康な湿地ばかりを好む猛悪な爬虫以外のものは、いっさいおしなべてその区域では生存を拒まれているのだった。
まことに、そこ一帯の高原は、原野というものの精気と荒廃の気とが、一つの鬼形を凝りなしていて、世にもまさしく奇異な一つに相違なかった。しかし、その情景をかくも執拗に記し続ける作者の意図というのは、けっして、いつもながらの饒舌癖からばかり発しているのではない。作者はこの一篇の主題にたいして、本文に入らぬまえ、一つの転換変容をかかげておきたいのである。と云うのは、もし人間と物質との同一化がおこなわれるものとして、人間がまず草木に、その欲望と情熱とを托したとしよう。そうすれば、当然草木の呻吟と揺動とは、その人のものとなって、ついに、人は草木である――という結論に達してしまうのではないだろうか。さらに、その原野の標章と云えば、すぐさま、糧にしている刑屍体の腐肉が想いだされるけれども、そのために草木の髄のなかでは、なにか細胞を異にしている、異様な個体が成長しているのではないかとも考えられてくる。