Classici giapponesi con furigana
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しろがねのえず
白金之絵図
泉 鏡花
Leggi 白金之絵図 (しろがねのえず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.356 caratteri · 47 schermate
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「やい!」と唐突に怒鳴付けた。
と、ひょろりとする老人の鼻の先へ、泥を掴んだような握拳を、ぬっと出して、
「こン爺い、汝だな、楽書をしやがるのは、八百半の料理がまずいとは何だ、やい。」
「これは早や思いも寄りませぬ。が、何かの、この八百半と云うのは、お身の身内かの。」
「そうよ、まずい八百半の番頭だい、こン爺い。」
と評判の悪垂が、いいざまに、ひょいと歯を剥いて唾を吐くと、べッとりと袖へ。これが熨斗目ともありそうな、柔和な人品穏かに、
「私は楽書はせぬけれどの、まずいと云うのを決して怒るな、これ、まずければ、私と親類じゃでのう。」
「何だ、まずいのが親類だ――ええ、畜生!」と云った。が、老人の事ではない。前生の仇が犬になって、あとをつけて追って来た、面の長い白斑で、やにわに胴を地に摺って、尻尾を巻いて吠えかかる。
「畜生、叱……畜生。」と拳を揮廻すのが棄鞭で、把手にしがみついて、さすがの悪垂真俯向けになって邸町へ敗走に及ぶのを、斑犬は波を打って颯と追った。
老人は、手拭で引摺って袖を拭きつつ、見送って、
「……緑樹影沈んでは魚樹に上る景色あり、月海上に浮んでは兎も波を走るか、……いやいや、面白い事はない。