Classici giapponesi con furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Leggi 白髪鬼 (はくはつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.046 caratteri · 224 schermate
イヤ、彼女は言葉でかき口説いたばかりではない。遂には彼女の美しい肉体を以て口説き始めた。
そこは人里離れた洞窟の中であった。わし達はたった二人のさし向いであった。彼女はしようと思えばどんな真似でも出来たのだ。
アア、何という恥知らずの振舞であろう。瑠璃子にしては、命の瀬戸際に恥も外聞も構ってはいられなかったのだ。彼女は純白の婚礼衣裳をかなぐり捨てて、わしの前に、彼女の美しい肌を見せびらかした。
闇の中に大きな大きな桃色の花が開いたのだ。そして、それがクネクネとあらゆる痴態を示して、蠢き始めたのだ。
わしはタラタラと冷汗を流し、歯を食いしばって、この美しき誘惑に抵抗した。
「駄目だよ。お前がいくらそんな真似をして見せても、わしはもう人間の暖かい心を持っていないのだから。わしは人間ではないのだ。地獄の底から這出して来た一匹の白髪の鬼なのだ。そんな人間界のまどわしに乗るものではないよ。わしは復讐にこり固まっているのだ。お前が如何に弁解しようとも、わしの知っている事実を曲げることは出来ない。わしの計画は一分だって変更する訳には行かないのだ」
わしは顔の筋一つ動かさず云い放った。