Classici giapponesi con furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Leggi 白髪鬼 (はくはつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.046 caratteri · 224 schermate
「今日で五日になります。アア、ここにその日の新聞が取ってあります。これをごらんなされば、詳しく分りますよ」
老人は云いながら、一枚の地方新聞を取って呉れた。見ると驚いたことには、三面の半分ばかりわしの記事で埋っている。妻と並んで写した大きな写真ものっている。アア、何ということだ。わしの死亡記事を、わしが読んでいるのだ。しかも、そこにはわしの写真がデカデカとのっているのに、古着屋の主人は、その写真の主がこのわしであることを、少しも気づかぬのだ。こんな不思議な境遇が又と他にあるだろうか。
わしは悲しかった。イヤ、あんまりみじめな我が境遇が、おかしい位だった。
「ですが、大牟田さんも、今お死になすったのが、結句仕合せかも知れませんよ。永生すれば奥様が奥様ですからね。いいことはありますまい。このわたしと同じ様に、世をはかなむ様なことになったかも知れません」
主人は、何か述懐めいたことを云って、商人にも似合わずうちふさぐ様子だ。
わしはそれを聞くと、実に異様な感じがした。聞捨ならぬ言葉だ。
「奥様が奥様とは何の事だね、エ、御主人」
わしは強いて何気ない声で聞返した。