Classici giapponesi con furigana
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とうなん
盗難
宮本 百合子
Leggi 盗難 (とうなん) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6371 caratteri · 13 schermate
自分でもどうだかよく分らない。
けれ共、とにかく私はいつも自分の部屋でする通りに気を落着け心を集めて読み書きを仕様とした。
一時過ぎになるまでは至極すべてが工合よくなった。ところが、フトどうかした拍子に、大窓のカーテンの隅が三寸ばかり、明いて居るのを見つけてからは、私はすっかり神経質になり、強さが引っこみかかった様な様子になって仕舞ったのである。
地面から三四尺ほか上って居ない所にあるそれ丈の隙間は、明るい部屋の中をのぞくに充分である。
私は何だかそこが気になった。
どうやら眼玉がギラついて居そうでやり切れない。そこで私は、目をつぶる様にしてぴったりと其処を押えつけて、本を重しにかって置いた。
けれ共、間もなく振返って見ると、パクーンと又口を開いて居る。
これではどうもたまらない。
私の強さは、もうちょんびりぼっちほか残って居ない様な、情ない有様になって来る。
燈を消そうかとも思わないではなかったけれ共、うす暗い部屋の中に、ポツネンと滅り込みそうになって居なければならない事を思うと、又それもいやである。暫くの間、カーテンの隙間ばかりを気にして居た私は、じいっとして居るよりは、まだましだと家中のしまりを見廻り出した。