Classici giapponesi con furigana
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Leggi 真珠夫人 (しんじゅふじん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.296 caratteri · 578 schermate
夫人が、汽車に乗った後も、青木と呼ばれる青年は姿を現さなかった。若い男達は、やっと夫人の言葉を信じ初めた。
「向うから、お呼び寄せになるか何うかは別として、今日同行なさらないこと丈は、信じましたよ。はゝゝゝゝ。」
小山と云う男が、発車間際になって、そう言った。
「まだそんな負惜しみを、言っていらっしゃるの!」
夫人は、そう言いながら、嫣然と笑って見せた。
美奈子は、何が何だったか、判らなくなった。母の自動車の中の言葉では、青木と云う青年が――墓地で逢った彼の人に相違ない青年が――東京駅で待っているようだった。而も母は、今そのことをきっぱり打ち消している。
美奈子は安心したような、而も失望したような妙な心持の混乱に悩んでいた。
汽車が出るまで、到頭青木は姿を、見せなかった。
四
汽車が動き初めても、青木の姿は、到頭見えなかった。
「それ御覧なさい! 疑いはお晴れになったでしょう!」
夫人は、車窓から、その繊細な上半身を現しながら、見送っている人達に、そうした捨台辞を投げた。
男性達が、銘々いろ/\な別辞を返している裡に、汽車は見る/\駅頭を離れてしまった。