Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんじゅふじん

真珠夫人

菊池 寛

Leggi 真珠夫人 (しんじゅふじん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.296 caratteri · 578 schermate

Aozora Bunko

六

「解っているようにするなんて? 何うすればいゝの?」

言葉丈はなまめかしく馴々しかった。

母の取り済した言葉を、聴くと、青年は火のように激してしまった。

「何うすればいゝの? なんて、そんなことを、貴女は僕にお聞きになるのですか。」青年は、恨めし気に云った。「貴女は僕を、最初から、僕を玩具にしていらっしゃるのですか。僕の感情を、最初から弄んでいらっしゃるのですか。僕が折に触れ、事に臨んで、貴女に申上げたことを、貴女は何と聴いていらっしゃるのです。」

青年の若い熱情が――、恋の炎が、今烈々と迸っているのであった。

六

青年が、段々激して来るのを、聴いていると、美奈子はもう此の上、隠れて聴いているのが、堪らなかった。

彼女の小さい胸は、いろ/\な烈しい感情で、張り裂けるように一杯だった。青年の心を知ったための大きい絶望もあった、が、それと同時に、青年の烈しい恋に対する優しい同情もあった。母の不誠意な、薄情な態度を悲しむ心も交っていた。どの一つの感情でも、彼女の心を底から覆えすのに十分だった。

その上、他人の秘密、他人の一生懸命な秘密を、窃み聴きしていることが、一番彼女の心を苦しめた。