Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate

Aozora Bunko

「よろしいか」

そう念を押されるまで阿賀妻はぼんやりしていた。

「たしかに」と彼は奉書をおし頂いた。

「図面の写しを慥えたりしていたので、おそくなりました、将来のことも考えて、頭書のような文面にして置きました――ちょっと挨拶して行って貰いましょうか」

堀は判官の部屋に目くばせした。

「ご尽力――ありがとう存じます」と阿賀妻は頭をさげた。

「いや――」と堀は手をふった。阿賀妻らの請願がこちらの方針に合致したに過ぎない。だが、そんなことは云わないで、彼は事務上のことを注意した。

「請書は拙者の方でいただきます、待っていましょう」

その足で彼は使丁を呼びつけた。

「馬を――」と彼は命じた。

「今から、また、どちらです」

「イシカリだ――」と短かく云って、出かけて行く男のうしろから叫んだ、「二頭――二頭だぞ」

そう云ってしまってから彼はにやりとした。

官業の牧舎に役所の乗馬は飼われていた。それが唯一の交通機関であった。

自分の椅子に頬杖をついていた堀大主典は、はいって来た阿賀妻を見て気づいたように云うのであった。

「どうなさる?」

「一刻も早く、このありがたい恩典を、主人邦夷、並びに家中のものに――」