Classici giapponesi con furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate
「お聞きの通り小山の向うで、馬の鈴音が聞こえております。どのような旅人が通っておるか、行ってお調べくださるよう」
「かしこまりましてございます」
北条という武士は馳せ去ったが、すぐに山の向うへ隠れてしまった。
一行はズンズン進んで行く。
四十八
小山と云っても丘のようなもので、高さから云うと知れたものであったが、その延長は著しかった。で、その裾に添いながら一行はズンズン進んで行った。
依然鈴の音は聞こえて来る。悠々と歩いていると見えて、その鈴の音もおちついている。
だがその鈴の音が急に止み、罵り合う声が続いて起こり、すぐに消魂い悲鳴が聞こえ、同時に鈴の音が乱調を作し、甲高く響いた瞬間から、局面が一変することになった。
「悲鳴が聞こえた、不思議千万!」呻くように云ったのは集五郎である。
「うむ」と華子も呻くように云ったが、「そなた小山へ馳せ上り、向こう側の様子を窺うよう」
「心得てござる! では早速!」
小山には灌木が生えている。しかし丈の高い木などはない。走り上がった集五郎は、頂きに立つと手をかざし、山の向こう側を見下した。と、山の裾の草の中に、見誤りはない山本という武士が、俯向けになって斃れている。