Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Leggi 私本太平記(四) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.324 caratteri · 458 schermate

Aozora Bunko

「ございます」

「これを燃やしてしまえ」

「はい」

「そして、ここへ寄れ」と、さしまねき、お声をひそめて。

「そちは都へ行きたいのか。……そんなことを、成田小三郎にはなしたことがあったのか」

「ええ、国分寺の柵にいた頃」

「よしっ」

にっと、帝は見すえて。

「連れて行ってやる」

「はいっ。……?」

「だが金若。口外すなよ。もし洩れたら連れては行けぬぞ」

「言いませぬ。死んでも人に洩らすことではありません」

「おお、それほどの心なら、行く末、侍にもなれるだろう。……して、この竹筒の文は、成田小三郎から渡されたのか」

「いいえ、漁夫のような人でした。けれど国分寺の柵にいた成田、富士名、名和などの人をみな知っている様子です。仲間なのかもしれません」

「むむ」

話題を変えて。

「ここの柵守能登ノ介は、きのうから島後へ行って留守なのか」

「いまのに、そんなことまで書いてありましたか。――能登は、何か急用で島後の判官殿に呼ばれて行き、きのうからここにおりません」

「そうか。……あとでまた呼ぶ。……ゆめ、いまのことは人にさとられるな」

帝はお独りになった。

二十四日までだ。あと幾夜もない。

はからずいまお手にした成田小三郎の密書によると、すでに彼らはこの島前の内へ潜入し、鰐淵寺の僧徒や、海賊岩松の党とも、連絡をとって、はや、それのために暗躍しはじめ