Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(四) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.324 caratteri · 458 schermate
……まず近郷では、土屋彦五郎、おなじく孫三郎、阿陀加長貞、筑見九郎、鏡五郎左衛門惟村。いやこれはすでに、ここへ馳せ参じている者どもだが」
忠顕は、次を読んだ。
石見、長門、播磨、美作、備前、備中にまでわたる諸州の武士の名であった。それがみなお味方を誓って来ていた。中には児島高徳らの名もみえた。
しかし、児島高徳の名も、ここの参陣の“簿”のうちでは一個の小ヌカ星的な存在でしかなく、忠顕にも何の印象すらないようだった。
彼は“簿”を閉じて。
「とまれ、大物小物といわず、諸方の武士の去就はいま一にここの戦況如何にかかっている。名和の兄弟、ひとしお合戦にはげんでくれよ」
「御意までもなく」
と長年は苦笑をみせた。
帝事にかぎらず、軍の上にも臨んで、はやくも公卿大将気どりでいる忠顕のことばが、武士の彼には生ぬるくて、実感にはせまらなかった。
「われら弓取りは、必然、代々の名和ノ庄から妻子眷属までを、これの武運に賭けているのです。負けろといわれても負けられはいたしません」
「が、守るに専念で、まだいちども攻勢に出ておらんな」
「敵の疲れを待っています」
「したが、敵にも刻々援軍があろう。