Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(四) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.324 caratteri · 458 schermate
、第3水準1-15-16)々切々 錯雑シテ
大珠、小珠、玉盤ニ落ツ
間関タル鶯語
花底滑ラカニ
幽咽スル泉流、氷下ニ難ム
と、いったようなおもむきがあって、およそそのあいだは、天地のものみな息をのんで、おのがじし小さい生命のまたたきに謙虚な涙をせぐられて来るかと思われるばかりであった。
こん夜も、崖にのぞんだ高床の廂のうちには、ポチと小さい明りがすだれ越しに見え、室にはうつつなく平家を弾じている一法師の影がある。
法師は盲なのであった。
からだつき小さく弱々しいが、年のころは二十一、二か。
「…………」
いま一曲を弾き終ったが、なにか自分では、とんと不満であるらしい。
軸をしめ、またやや戻し、軽弄、漫撚と絃のしらべにしきりと首をかしげているのを見て、ふと、おなじ部屋の片すみから、法師の母の尼が、小机ごしに、眸だけで、
「……?」
そのさまを見つめていた。
やがて。尼がたずねた。
「覚一、どうかしたの?」
「ええ」
琵琶を膝に立てて。
「へんです。こん夜は」
「そんなことないでしょう。ここで聴いていましたが、私の好きな“忠度都落ち”のくだりのせいか、どこといって」
「いえ、お母あさんにはそうでしょうが、覚一には何だかいつものようでないんです。