Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

Leggi 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.829 caratteri · 169 schermate

Aozora Bunko

食卓の上には、珍らしい果物――ドリアンと、マンゴースチンがおかれてあった。ドリアンは栗のいがのようにとげのある大きな果物、マンゴースチンは、かたい褐色の殻に包まれた柿の実のような形の果物だった。

謙一はドリアンの一つを、パリッとナイフで割って、

「食べてごらん、この味がわからないと一人前の東亜っ児じゃないぜ」

英夫たちや二人の友人にもすすめた。

「なるほど、しかし何ともいえん臭い、いやな匂いがするな」

鳥尾大尉にいわれて見ると、くるみのように入った中の実から、いいようもない、鼻をつくいやな匂いがした。

祥子が顔をしかめていると、

「この果物はね、ドリアンという少年の生れ代りだという伝説があるんですよ、祥子さん」

と、謙一がいった。

「ドリアンという、美貌の女神に呪われて、醜く生れて来た少女が、どうかして人に可愛がられようと思って、果物に生れ代ったというんです、だから形も匂いもちょっと気持が悪いようだけど、まあだまされたと思って食べてごらんなさい」

英夫も、祥子も鼻をつまみながら、やっと半分ほど食べた。

匂いのわりには、おいしかった。――生れてはじめてバナナを食べた時のように、一ど食べたら忘れることの出来ない味だ。