Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

Leggi 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.829 caratteri · 169 schermate

Aozora Bunko

さっきからしきりに考えているのだが、兄の友達なのだろうか、それとも別な人なのだろうか。それとも軍人なのか、実業家なのか、役人なのか、そういう大体の目安さえもついていないのだ。ただ漠然と考えられるのは、兄の友達かも知れないということだけだった。

「兄さんの友達でしょう」

ずばりと、いいあてたつもりだった。

曹長は不意に笑い出した。

「は、は、は、先刻からだいぶ考えておいでのようでしたね……お友達というよりは、中尉殿の上官です。……ある将軍です」

一気に、そこまでいってしまうと、英夫の耳に顔を寄せて、

「上川中将閣下ですよ」

とささやいた。

「えっ! 上川中将ですって――」

あまりの意外さに、おどろいた。

上川中将といえば、有名な将軍だった。今は何をしておられるか英夫も知らなかったが、そういえば、兄中尉や若い将校たちが、英夫の家の書斎に集って、話し合ったりする時、たびたび出て来た名前だった。だが将軍が兄の上官であるという以外にどんな関係があるのか、一どもお目にかかったこともなかったし、写真でお顔を知っているくらいなものだった。

「すぐお会いするのでありますから、もうお話ししても宜しいわけですが、実は、将軍のおいいつけであなたをお迎えに上ったのです。