Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

Leggi 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.829 caratteri · 169 schermate

Aozora Bunko

広いところで直径一キロもあろうか、ところどころに椰子の樹が数本ずつ生えているだけの珊瑚礁で、一方の切り立った岩の上には、おびただしい海鳥が群がり、けたたましい鳴き声をあげていた。

べつに人の住んでいる気配もなかった。

「ここは一体、どのへんなんでしょう?」

「それがどこだかわからないんだ」

「もし、どこの国の領土でもなかったら、大発見ね」

「そしたら日本の領土にしてしまうさ」

岩角を曲って、二人の上陸した砂浜へ出ようとした時、祥子が、

「あら!」

と、叫んだ。

黒く突き出た岩礁の間に、漂い寄ったものを見つけたからだった。――ブリキの石油缶や空壜や板きれが、岩礁の間に漂っていた。難破船のいたましいかたみの品なのであろう。ことによると、九竜丸の残骸もその中にまじっているのかも知れなかった。

さしあたり、食べものを探さなければならなかったが、何もないので、貝と、岩についた海藻を集めることにした。

何か入っていそうな気がしたので、例の石油缶や、そのほかの使えそうなものも引き上げておいた。

石油缶はひどく錆びて、いびつになっていた。

「石油だと大助かりなんだけどなあ」