Classici giapponesi con furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Leggi 空中征服 (くうちゅうせいふく) di 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.687 caratteri · 215 schermate
七二 空中住宅と空中田園
「しかし、私たちはもう慣れているから何ともありません! 」
「だから発明家なんか大阪におりやしないよ。みな酸素の不足のためだよ。しかし、こんなにぐずぐずしていても仕方がない。おい行こう」
七二 空中住宅と空中田園
挿絵72
天狗と鼻垂は大阪の人の煙に対する無頓着に驚きながら指定の宿に急いだ。
雨が激しく降る。洋傘の骨の先から雨垂れが繁く落ちる。ふと気がついてみると、それがすべてインキのように黒い。天狗はびっくりして、「おい、鼻垂! お前の洋傘は安物だなア、染めた色が雨に溶けて出てくるようだぜ! 」
「そうかい? どこに? 」
「これ見ろ! 」
天狗は洋傘の骨から落ちる雨垂れを手に受けて鼻垂に示した。なるほどインキのそれのごとく黒い。
「ほんに! これは驚いたなア! 」
漸時二人は洋傘の染料が雨に溶けて出て来たものだと信じて街を歩いていた。しかし、よく気をつけて見ると、屋根に落ちる雨も、溝に流れる雨も、すべてインキ色をしている。
「おい! おい! 天狗、これは洋傘のためじゃないぜ、まったく大阪の雨はインキ色をしているのだぜ、おい、みろ、大阪の屋根の色がみなインキ色をしているじゃないか、溝の水も、川の水も、桶から出てくる水も、みなインキ色をしているぜ! こりゃまったく煤煙が雨に溶けて出てくるものと見えるなア」