Classici giapponesi con furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate
夫は草むしりに釣られてだんだんと境界の金網沿いの、大明竹や樫の葉の生い繁った薄暗い方へもぐって行ってしまったので、彼女のところからは、ひとかたまりの平戸の花越しに、大きな海水帽の縁だけしか見えない。
「蜂よりか蚊の方がえらいねん。手袋の上から刺しよる」
「そやよってに、もう止めなさい」
「それより、気分が悪い云うてたのんに、どうしたんや」
「臥てたら却ってしんどいさかい、こないしてたらいくらか晴れ晴れするやろ思うて。―――」
「しんどいて、どんな風にしんどいねん」
「頭が重うて、………嘔き気がして、………手足がだるうて、………何や、重い病気になる前兆みたいな」
「何云うてるねん、そら神経や」
そして、突然貞之助は、
「ああ、もう止めとこ」
と、ほっとしたような大声を出して、竹の葉をガサガサ云わせて立ち上ると、車前の根を掘るために持っていた切り出しを放り出して、手袋を脱いで、蚊に螫された痕のある手の甲で額の汗を拭き拭き、ぐっと腰の蝶番を伸ばしながら身を反らした。それから、花壇の傍の水道の栓を開けて、手を洗って、
「モスキトンないか」
と、手頸の赤く脹れたところを掻きながらテラスへ上って来たが、