Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate

Aozora Bunko

幸子は、これは十日や一週間では埒があきそうもないと見たので、陣場夫人に事情を云って一先ず延期を申し込んだが、先方はいつ迄でも待つと云うのであるから心配はないようなものの、何かと云うと看護婦代りに使われたりして損な役にばかり廻される雪子に、ひとしお不憫が懸るのであった。

ところで、見合いが延びた間に、かねて手配をして置いた調査の方が捗って、興信所から報告書を送って来たが、それに依ると、野村氏の地位は高等官三等で、年俸三千六百円程度、外に賞与が若干とあるから、月に割ると三百五十円前後になる。父の代には郷里姫路で旅館業をしていたらしいのであるが、現在郷里には家屋敷が残っていない。親戚は、実妹が東京の太田某と云う薬剤師に嫁いでいる外に、姫路に叔父が二人あって、一人は骨董商を営みつつ茶道の宗匠をしてい、一人は登記所の司法書士をしている。その外に、関西電車の社長浜田丈吉が本人の従兄に当ってい、これが唯一の誇るに足る親戚でもあれば庇護者でもある。(そしてこれが又、陣場夫人の所謂「恩人」であって、夫人の夫は昔浜田家の玄関番をしつつ通学させて貰ったと云う恩義があるのだそうである)報告書の記載は大体以上で尽きているが、なお調査の結果、昭和十年に亡くなった先妻の病気が本人の記す通り流感に間違いのないこと、二人の子供の死んだ原因