Classici giapponesi con furigana
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かいだんいちやぞうし
綺堂随筆 江戸のことば
岡本 綺堂
Leggi 綺堂随筆 江戸のことば (かいだんいちやぞうし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.152 caratteri · 27 schermate
二
その上に辻斬りは流行り、押込みは多い。まことに物騒な世のなかで、わたくし共のような若い者は何が何やら無我夢中で、唯々いやな世の中だと悸え切っていました。
ところが、又そういう時節が勿怪の幸いで、今日で申せば失業者の浪人達がいろいろの方面へ召し抱えられて、御扶持にあり付くことにもなりました。浅井さんもその一人で、一旦浪人した旧藩主のお屋敷へ帰参することになったので、お父さんも息子も大喜び、近所の人たちもお目出たいといって祝いました。
「就いては長年お世話になったお礼も申し上げたく、心ばかりの祝宴も開きたいと存ずるから、御迷惑でもお越しを願いたい。」
こう言って、浅井さんはふだん懇意にしている近所の人たちを招待しました。家が広くないので、招待を二日に分けまして、最初の晩は近所の人達をあつめ、次の晩は剣術のお弟子たちを集めることにしたのです。わたくしの父も最初の晩に招かれまして、主人も満足、客も満足、みんながお目出たいを繰り返して、機嫌よく帰って来ました。
さてその次の晩に、不思議な事件が出来したのでございます。
二
それは五月なかばの暗い晩で、ときどきに細かい雨が降っていました。