Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

深謀遠慮、長期作戦の決意をした模様である。

昼夜兼行で、仕事がつづけられた。二日、三日、五日、と過ぎた。金五郎の左腕に、みごとな昇り龍が、日とともに、完成されて行った。

お京は精魂を傾けつくしているように見えた。豊麗な顔に、やつれがあらわれた。

しかし、危険は増大して来た。どんなに忍耐していても、若い男女が、二人きり、一室で起居をともにしているということは、杓子定規では行かない。道後以来、三年間も、不可解な思慕の像を、心の乾板に焼きつけていた金五郎の方にも、いつ陥没しないともわからない要因があった。ときどき、ふっと、悪魔の心に誘われて、切ない瞬間がある。

日夜、顔をつきあわせ、裸の肉体を身近に接触させつづけている生活が、金五郎は、息苦しく、恐しく、なって来た。そして、遂に、片腕だけ仕上った夜、お京の隙をうかがって、待合を脱出したのであった。金五郎は、

(お京のことは、マンには、話すまい)

そう、心の中で、思い定めた。

重々しく掩いかぶさって来るお京の幻影を、追いはらうようにしながら、金五郎は、龍が上肢につかんでいる菊の花束を、マンに、示した。

「この菊は、門司時代のお前のことを思いだしたもんじゃけ、特別に入れたんじゃ。